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書評というほど立派なものではないブログ

読んだ本について徒然と書いていきます。正直こんなブログよりも本の方を読んでほしいので内容には詳しくは触れません。書評というほど立派なものは書けませんが、軽い気持ちで楽しんでいただき、気が向いたら実際に本を手に取っていただければ幸いです。

格差社会の現実?(米倉誠一郎『2枚目の名刺 未来を変える働き方』)

会社と自宅の往復で特に他にやることもない、そんな生活を変えたくてこの本を手に取ってみた。

 

本書が勧める「2枚目の名刺」とはいわゆる副業のことではない。典型例は最近話題のプロボノであろう。例えばサラリーマンであれば、自分の持っている力を会社と別な形で発揮させてくれ、会社での仕事と相互によい影響を与え合うようなものでなければならないという。「2枚目の名刺」を持つことによって、会社によって与えられた役割に基づいた自己規定を脱し、自らが「社会人」として自己を定義したうえで会社での仕事を位置づけることができるようになる。それによって自らの生き方をより充実したものにするだけでなく、社会により貢献することができるという。

 

感心しながらこの本を読み終えた私はふと我に返った。私の勤める会社はこの「2枚目の名刺」的な生き方を許してくれるだろうか。社員が会社を相対化して自らの社会人としてのアイデンティティを形成し、会社以外の肩書を名乗って自ら情報発信を行う、このような生き方を許してくれる会社は、本書の言うとおり社会が変わってきているとしてもまだまだ少数派なのではないだろうか。その上著者は、まず「1枚目の名刺」で確固たる地位を築くことが「2枚目の名刺」を活用する前提条件だという。「2枚目の名刺」を持つことを許してくれるような会社に勤め、そこの会社で実績を残して確固たる地位を築く。本書が描く生き方を実践するためのハードルは思いのほか高いようだ。

 

著者は「世界で一番豊かな国は、選択の自由と選択肢の多い国」だという。それが人についても当てはまるとするならば、その意味で豊かな人と貧しい人の格差は広がる一方になってしまうのかもしれない。