坑夫ぬーどるのブログ

社会不適合系社会人のぬーどると申します。ロンドン大学通信課程での勉強や、高配当米国株と株主優待を中心とした株式投資について気が向いたときに書いていきます。本ブログは所属団体等とは無関係な個人の見解です。 twitter:@nuh_dl

株主優待銘柄 日本たばこ産業(JT・2914)から株主総会招集通知が届いた

株主優待銘柄として名高いJTから郵便が届きました。私は買ってから12月の基準日まで1年以上JTを保有しておりませんので、今回は優待はありません。株主総会の招集通知ですね。内容を簡単に見て(分析して)いきたいと思います。

会計や経営に関しては素人ですので、いろいろとご指摘いただければ幸いです。(あくまでも招集通知の内容紹介ということで、他の資料は特段参照していませんので、その点はご容赦頂ければ幸いです。)

 

株主総会の開催日時

今回の株主総会は、3月19日木曜日午前10時から、東京で行われるとのことです。

お土産はなしとのこと。

まあ、私は行きませんけどね。

 

株主総会の会社提案議案

今回の議案は4つです。配当、定款変更、役員選任、役員報酬の4つです。順にみていきましょう。

配当

今回の配当金は、1株あたり77円で提案されています。

中間配当で同じく77円であったことを考えると、年間の配当は1株当たり154円となる見込みです。

現在(2020年3月1日)時点で株価が2200円を切っていることを考えると、

配当利回り7%超えとなっています。

かなりの高配当銘柄ですね。いつまで続くかわかりませんが、少なくともここ10年は増配を続けています。

 

定款変更

今回の定款の変更は、会長に加えて、副会長若干名を置くというものです。

 

役員選任

今回提案されている取締役は9名、いずれも再任です。

 

いわゆる社内取締役のうち、執行に携わらない候補者は2名。

一人は会長で、元財務事務次官

一人は元副社長で、現在はただの取締役。副会長への就任が予定されています。

 

いわゆる社内取締役のうち、執行に携わると思われる人は4名

一人は社長で、企画関係の業務や、JTインターナショナルの役員も務めている人だそうです。

副社長が二人いて、経理部長と法務部長の経験がある人が一人ずつといった感じでしょうか。

専務は一人。中国事業部長などを経験しているようですね。

 

社外取締役は計3名。作家、第一生命、リクルートから一人ずつです。

 

また、任意の委員会として、「人事・報酬諮問委員会」を設置しており、会長と社外取締役3名が委員となっているとのことです。

 

役員報酬

今回は取締役の報酬の体系が変更となるそうです。

執行役員を兼務しない取締役については基本報酬のみ、執行役員を兼務する取締役は基本報酬に加えて賞与とインセンティブ、という体系となるそうです。インセンティブの割合が増加しています。

役割に応じて報酬体系を明確に分けるということなのでしょうね

 

事業報告

概要

減収減益とのことです。

 

事業ごとの状況

国内たばこ事業は、売上げの約3割を占め、減収減益です。

海外たばこ事業は、売上げの約6割を占め、増収減益です。前年度の為替レートだと増益となることから、為替リスクが顕在化した形でしょうかね。

医薬事業は、売上げの約4%を占め、大幅な減収減益です。ライセンス契約解消や、ロイヤリティ収入の減少が主な原因だとのこと。

加工食品事業は、売上げの約7%を占め、減収、大幅な増益です。

 

設備投資についても、おおむね売上げの割合と同じような割合で配分されていますね。

従業員については、連結で6万人以上の従業員がいるようですが、国内たばこ事業が約1万人、海外たばこ事業が約4万3000人、医薬事業が約1400人、加工食品事業が約5000人といった感じです。売り上げと比べると海外たばこ事業に従事する人が若干多い感じですかね。医薬事業は事業の性質上少数精鋭的な感じなのでしょうかね。

 

財務

連結では、収益、利益ともに減少傾向です。

2019年度の1株当たりの利益は約196円となっており、

配当性向は約78%といったところでしょうか。

一株当たりの利益も減少傾向にありますので、現在の配当が維持できるか、若干心配にはなります。

 

一方、JT単体では売上げは減少傾向にはあるものの、過去3年間はおおむね横ばいであった利益が、今期は50%程度上昇していますね。

 

グループ全体では減収減益ですが、JT単体では大幅な増益となっています。原因が気になるところですね。(有価証券報告書などを見ればいいんでしょうかね)

 

その他

株主は、約38%が財務大臣、個人株主は約18%といった感じですね。優待のおかげか株主数は50万人を超えています。金融機関、投資信託以外に大株主はあまりいないようですね。

株主還元の一環として、昨年度は500億円弱の自社株買いを行ったとのことです。

監査役は5名、常勤が3名で、社外監査役が2名とのことです。

 

計算書類

会計の知識がないので深くは書けませんが。

 

財政状態計算書・貸借対照表

連結財政状態計算書では、

資産が約5兆5000億円、そのうち資本が2兆7000億円、自己資本比率は約50%といったところでしょうか。

そのうち、のれんが約2兆円あるのが気になりますね。

 

単独貸借対照表でも、

資産が約2兆6000億円、純資産が約1兆4000億円、自己資本比率は、約53%と連結と同じくらいですね。

そのうち、関係会社株式が約1兆5000億円ありますね。

 

損益計算書

連結損益計算書では、

約2兆1756億円の売上げがあり、粗利率が約56%、営業利益率が約23%といったところです。

 

単独損益計算書では、

資約6600億円の売り上げがあり、粗利率が約70%、営業利益率が約20%といったところです。

営業利益が約1300億円にくわえて、受取配当金が約1500億円ありますね。

 

タバコって粗利率がこんなに高いんですね。また、JT単体と連結で粗利率が大幅に違うのも気になります。

 

感想

国内たばこ事業自体は、よく言われている、減収傾向ではありますが、会社単体としてはその中でもある程度の利益は確保しようとしているという感じでしょうか。食品事業の増益と同じようなことがたばこでもできればという感じなのかもしれません。

一方で気になるのが、海外たばこ事業でしょうね。売り上げの過半数を占めているだけでなく、のれんと関係会社株式の多さから、財務上も買収した会社(これが海外かどうかは招集通知を見ただけではよくわかりませんが、単体の利益の中の受取配当金の割合もそれなりに高いところから、恐らく海外事業はほぼ子会社がやっているのではないかと思います。)に大きく依存している様子がわかります。

そして、(JT本体では国内たばこ事業を主にやっていて、子会社の大部分が海外事業だとすれば)海外事業は粗利率が国内に比べて低いのが気になるところです。また、従業員が多いのも、必要性があってのことか、余剰な人員を抱えてしまっているのかも気になります。

配当性向も高くなっているので、高配当を維持するためには利益を維持し続ける必要がありますが、(というか増配のために利益を増加させてほしいものではありますが、)そのためには、海外たばこ事業の利益総出力強化がカギということなのかもしれませんね。(売上げの大部分を占めているから当然なのでしょうが。)海外事業の経験もある社長に期待しましょう。

 

 

今まで招集通知は最低限の情報しか書いていないと思っていましたが、わからないなりに読んでみるとそれなりのことがわかって面白いですね。今後も勉強をしつつ分析を加え、知見を深めていきたいと思います。

なお、この記事はあくまでも素人の分析(笑)ですので、投資判断の際はご自身で情報収集をなさってご判断ください。

 

また気が向いたら更新します。